足が速い人

今日研究室のメンバーと昼食をとっている時に少し気になる話があったのでなんとなくまとめてみようと。

現在就職活動中のM1ですが,同期の中でおとなしく引っ込み思案な男の子がいます。
私とは正反対な性格をしている彼,見ていてもどかしい思いをすることも。
このままだと将来苦労するだろうなぁと思い(余計なお世話かもしれないけれど),これまで研究室のイベントの際には司会を頼むなどして少しでも人前で喋ることに慣れ,自発性を身に付けていって欲しいと考えていました。
かつての彼に比べると良い状態にはなっていると思いますが,就職活動にあたって悩みを抱えているそうです。
その詳しい内容については言及しませんが,その悩みの根底には,自分自身に自信を持てないといった問題があるようでした。
彼は自分を変えるためにひとつの事を考えたそう。
「仕事のできる人は足(移動)が速い。だから自分も速く歩くようにしている」と。

これはあくまできっかけとなった話であって,彼の考え方についてとやかく言うつもりはありません。
ここで思ったのは,プロセスを考えられていない人って案外多いんじゃないのってこと。
仕事ができる人は足が速いというのは,足が速いというスキルがあるから仕事ができるという訳ではなくて,何事もしっかり計画を立てそれに合わせて動いているから自然と足が速くなる,移動の時間が勿体ないと感じるから足が速くなるという,習慣の結果なんですよね。

現在の就職活動において,自分はどういう人間か,今までにどんなことに対して興味を持ってきたか,それをどう実行に移してきたかなどの自己分析は非常に重要な位置を占めています。
積極的に行動する,真面目にこつこつ取り組む,コミュニケーションに長けているなど様々な特性がありますが,結局何を問われているのってそこに至るまでのプロセスなんですよね,というのは言うまでもないことなんですが。

まあなかなか学生時代にそんな大層なことを仕出かす訳もなく,日常の中から断片を見付け出して繋げ,最終的にこれこれこういう人間ですという結論に至るのが一般的だと思います。
で,みなさんは普段からそんなことなんて考えてねーよ!って感じで自己分析に苦労するので,自己分析は早いうちからやっとけってのが定説なんじゃないのかなと。逆に普段から考えている人は大して苦労もしないと。

同期の話に戻りますが,彼はまさにその思考のプロセスが抜け落ちているなと感じたんです。
何故そうなったかを考えない,何故そうしたいのかを考えない。
自己PRが書けないと。探せばいくらでもあるんですよねそんなもの。
過程を見つければ,結果は自ずと見えてくると思うんです。
結果ありきでそこに至る過程を見つけようとするから,何も思いつかなくなるんじゃないの?
まず,自分のしてきた事を箇条書きしていって,こことここは繋がるなだとか,これってこういう風に捉えられるじゃんって事から文章を組み立てていって,文章をつくるんだよ。
ってアドバイスをしたら,D2が笑い出しました。
「なんでこの人いきなり笑い出してんの」と思ったら,直前に私と全く同じ内容を彼にアドバイスしていたみたいでした。
文章を作成する上で当たり前のことなのかもしれないですね。私は思いつきで書くのでこのようなプロセスはとったことないですが,男性が手紙を書く際にもこのように組み立てることが多いみたいです。

で,こういうことって多少のセンスも必要だけれど,大半は訓練で養うことができると思うんです。本をたくさん読んで語彙を増やすこと,文章を頻繁に作成し発信していくこと。文章の作成ってすなわち思考の整理ですからね。
何が言いたかったのかというと,みんなたくさん本を読んで,Twitterでたくさんpostしたらいいんじゃないのっていう。

こんな話が誰かの役に立つとは思わないけれど,自分の思考の整理として。